小学1年 男子 S君
行動面のご相談で来訪。

発達全般は特に問題なかったが
4歳頃までは癇癪の激しさと、
多動、こだわりが非常に強かった。
泣き方の激しさが、尋常ではない様には感じていたとの事。

立位
・正面を向いているのに、頭を右に傾げたかの様な首の筋肉状態。
・肩甲骨が引き上げられる位の僧帽筋緊張。
 子供の筋肉とは思えない強張りパツパツの筋緊張状態。
・下顎が前出し、下の歯が上の歯より前に出ている。

首の筋肉の左右差が起きないところに頭を位置させると、
左後方を振り向くように斜め上を見上げる状態となる。

頭の形
一見、頭部変形は目立たないが、
よく見ると平行四辺形で、
横幅が細すぎる、締め付けの強い歪みの状態が見られた。

首の筋肉の左右差と、僧帽筋緊張の変化と共に、
立位での下顎の前出が変化し、
3回目の調整後、上下の歯がほぼ同じになった。
4回目、5回目と順調に変化し、
立位での下顎前出は見られず、下の歯は上の歯の後になっていた。

お母さん
「主人も「すごい顔変わったよね」って。」
行動面では少しずつ変化がみられてきている様子。

S君、大人で言えば強烈な肩、首、頭の凝りが
起きている様な状態。

僧帽筋の短縮は頭部前出、
並びに下顎への影響として表れる事があります。

行動面でのご相談に来られるお子さんの多くに
同様の傾向が見られます。

首、肩周辺に捻れが留まっている場合もあれば、
背骨に留まり側湾症状態になっているお子さんや、
骨盤部に留まり歩行に影響が出ている場合もあります。

いずれもその多くが、頭部の歪みを起点として起きています。
立つ、歩ける様になっているお子さんの場合、
首から下の歪みとして分散されているものの、
S君の様に下顎の位置がズレる程、
強い肩凝りとなっていると、
気短、怒りが収められない、
自己コントロールが難しい
などの状態になっていても不思議はありません。

調整継続中

当時のブログ↓「姿勢が悪い 立ち方がおかしい」

Sくん 7才
先生の前では、カチンコチン。
でも、実際はグニャグニャが自然体のSくん。

顎が上り、上半身は右後方に引けながら
左肩が上がり、頭部が前に出た状態。

全身をカチンコチンに目一杯固めて
超緊張状態でしか立てない子。

何度注意してもグニャグニャ、フニャフニャ、
真っ直ぐに立っていられない子。

誰かに「二者択一で」と
命じられたのかと思いたくなる位、
「ただ普通に立つ」
ということが難しい状態にある子供達がいます。

これは普通に立てている人には理解出来ません。

一見、他の子供達と同じ様な姿・形に見えても、
実際の身体状態が違うため、
その体の状態を「肉体感覚として」
理解するのが難しいためです。 

冒頭の立位状態で発達に関する
いくつかの問題を持つS君。 

お世辞にも好印象とは言えない雰囲気。
話してみると、普通の子です。
しかし、その様子からは、
無用な誤解や、不利益を招く事も
想像に難しくありません。

立位の観察では、
首の筋肉の左右差が明らかで、
頭部を左横にやや右顎を上げ回旋させる所におくと、
首の筋肉の左右差はなくなり、
身体の歪みも整います。

S君の場合は、頭部の歪みだけでなく、
背面側(背骨、骨盤)の歪みも合わさり、
結果的に、頭部が前後から囲われるように
捻られる方向への力が、かかり続ける
状態にあります。

こうした全身的な捻れにより、
ただ普通に立つ事に困難さがあり、
筋肉の慢性異常緊張から起こると考えられる
複数の問題が生じています。
姿勢だけでなく、
感情のコントロールの難しさもその一環です。

S君、調整の進行と共に、
カチカチとグニャグニャの真ん中
「普通に立つ」
方向へと立位が変化してきました。

調整を始める前は、
ひどい肩凝りと頭の前出により
受け口になりかけていましたが、
これらの減少に伴い、
受け口の様子はほぼ無くなりました。

また、目つきや表情の柔らかさからも
肉体的負担の減少がうかがえます。

当時のブログ↓「子供の姿勢」と書籍のご紹介

Sくんの場合は、歪みの影響で、不良姿勢となるパターンです。
しかし、歪みよりも日常での身体の使い方により不良姿勢となる場合もあります。

子供は無意識のうちに親や周囲の動き、
姿勢を真似てしまいまう傾向にあり、
大きな影響があります。

そのため、姿勢指導をお子さんだけにしても、
言われた時はやるけれど、
それ以外の時に、自然に再現される
「身に付く」のは少数です。

姿勢指導を何も受けないでいるよりは
良いのですが、先に書きましたように、
姿勢というのは
「身に付く」「身に付ける」
部分が多くを占めるものです。
日々の動きや意識などの蓄積により
形作られた「結果」です。

ただ大人と違い、子供はまだ筋肉拘束
(骨格本来の自然な動きを妨げる凝り固まった筋肉)
が少ないので、指導内容の再現性が高い状態にあります。
ですので、子供の頃から骨格負担の起きにくい
姿勢や動きを身につける事は
とても有効で大切な事です。

大人の場合、不良姿勢と間違った動きで
作り上げた肉体状況の方がほとんどですので
そもそもの指導内容の再現だけでも
やっとの方が少なくありません。

持続性のある健康を望むならば
本来はこの段階で、再現を阻む要因を
一つ一つ取り除き、良好な姿勢、座り、動きを
可能にする努力が必要です。

そのため、姿勢に関するご相談は、
ご家族皆さんの姿勢に対する理解、
取り組みがとても重要となります。

しかしながら限られた時間内での
充分にお伝えするのは難しいのが現状です。

そもそも、「不良姿勢」とは、どの様な状態で
「正しい姿勢」とは、どういう状態をいうのか?
これらの理解がない限り、
姿勢を正すというのは困難です。
場合によっては、身体の負担となる姿勢を
身につけてしまうこともあります。

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