6歳の女の子がお母さんと来訪されました。
今までに10回の熱性ケイレンがあり、病院での知能検査では3歳半と診断されていました。
治ることはないし、一生結婚も出来ないと断言され、絶望のどん底で来られたのです。
半年後、小学校入学なのですが、特殊学級になることは確定していました。
お母さんは「物の色や名前が覚えられない。落ち着きがない。頭をぶつけても痛がらない。今までに階段から落ちたことがある。3歳の頃1mの高さから落ちたことがある」ということを話されました。
通常分娩とのことでしたが、検査すると吸引分娩の可能性が強まりました。
初日は、奇声を発しながら治療室を飛び回る状態で、ベットに横になり検査するという状況ではありません。
走り回っているので、こちらも動き回りながら触らずに検査し、歩きながら遊ばせながら施術しました。
「頭をぶつけても痛がらないのは、脳から麻酔が出ているためです。」
と説明すると「あっそういうことだったんですか。」と希望を感じられたようです。
帰る頃、お母さんが「言葉がはっきりしてきた!」と喜びの声をあげ、涙されていました。
以後、毎週一回来院され、6回目の11月末にはとってもうれしい報告がありました。保育園の保母さんが
「今まで会話できなかったのに、よく話せるようになって来ました。言っていることが、わかるようになりました。」
と言われたそうです。そのことを、お母さんが涙ながらに話されました。
それに、今まで頭をぶつけても何も言わなかったのに
「痛い!」と言うようになり
「痛くてかわいそうなんだけど嬉しかった。」
と喜んで話されたのです。
7回目には「最近は話しが上手になり、小学生の兄でも言い負かされるほどになった。」
とのことでした。
8回目、9回目の頃にはベットに横になり調整できるようになり、お母さんは、子供の変化に終始びっくりしています。
10回目の12月末には「ありがとう」「ごめんなさい」が言えるようになったそうです。
11回目の1月末には、立位で触診でき、ベットにも横になり、30分も調整を受けれるようになりました。
騒がすに診察を受けている姿を見て、お母さんは涙を流され「信じられない、こんなになるなんて!」と感動しています。
2月中旬の14回目には感動のお話がありました。
「○○さんから電話があったよ。」
と電話をとりつげるようになったこと、
昔あったことを話すようになったことを、
とっても嬉しそうにお母さんが話されました。
さらに、御両親が小学校の普通学級に入学させることを決意され、手続きされたのです。
絶対に治ることはないと断言されていたのですが、今「治るかもしれない。」
と御両親が、希望を抱けるようになりました。
現在は、普通学級に通学し、元気に過ごされています。
(この記事は2002年頃のものです)