踵は大切〜前重心と成長 

「シーバー病、踵骨骨端症」8歳 Uくん 〜その後

しゃがめない、しゃがみにくい

前回記事の時は、普通に歩けるようになったが、まだ走ると痛いとのことでしたが、現在は軽いランニング位なら走れるようになりました。まだ全力疾走では痛くなるのと、運動に適した筋肉状態にないため施術継続中です。

Uくん、アキレス腱が短く足首を上に曲げにくいため、一応しゃがむことはできますが、まだ脚三関節(股関節、膝、足首)に無理があります。

歩行時の残し足(後ろ足)の動きも、静止状態でゆっくり行っても、捻れた動きになってしまい、正しく行えないことから、股関節前面部が普段使われていない状態にあることがわかります。

踵残し足と股関節
残し脚の動き

脚三関節、股関節前面部が使いにくいと、これらの動きを腰椎周辺(腰)が代償するため、胴体部(背骨)がグニャグニャと不安定になります。

骨盤の捻れと脚の左右差

引き続きご自宅でのケア、運動方法と、施術の併用で改善を目指しています。現状では、運動を再開できる状態にしていくことですが、今後のことを思うと、普段の歩き方、日常動作などを修正し、負担の少ない身体で成長していくことが望ましい状態です。

踵が浮いてる、ちゃんと踏めない子供が増えている

踵がつけない、つま先で歩く「尖足」という状態があります。

尖足とまではいかなくても、実際かなり多くの方が、「踵をしっかりと付くことの出来ていない歩き」になっています。子供たちでは、明らかに踵が浮いたままで歩いている子が年々増加しているように思います。

→「つま先歩き、尖足、踵がつかない」に関する事例はこちら

「浮き指」という足指が浮いた状態の子供が増えているという話はよく聞かれますが、足指だけでなく、踵にも問題があるのですが、外反母趾や巻き爪など見た目にも問題がありそうな足指と違い、踵の場合、痛みや踵骨が左右どちらかにズレるなどでないとあまり注目されにくいようです。

足部への体重のかかり方は、重心と、全身の拘束(緊張)状態が影響しています。

踵には体重の75%を

実際は、「踵を地面につけない」というより「つけることが出来ない」のですが、その理由として

1、前重心のため、踵に体重が乗り切った歩きにならず、つま先に多く体重がかかる歩きが通常になっている

2、股関節前面拘束の影響で、脚を後方に残せないため、踵がすぐに浮いてしまう

などが挙げられます。

→「つま先歩き」「尖足」「踵がつかない」頭の形との関係は?

動物の多くはつま先立ちで、「趾行動物(しこうどうぶつ)」と言います。
人を含む踵を地面に付けて歩く動物を「蹠行動物(しょこうどうぶつ」と言います。猿、リス、くま、パンダなどがいます。足裏全体を地面につけるため、直立時の安定性がよく、四足歩行をする動物でも、直立する姿勢を常用する動物に見られます。

身体が退化している可能性

踵が付けないということは、二足直立歩行の人類から四足動物へ、または、ハイハイ期の赤ちゃん時代に戻っている状態と見ることが出来ます。

踵が付けない 人類の退化
「踵が付けない、しっかり踏めない」身体への影響は?

踵が付かない、しっかり踏めないとうのは、何らかの理由で、体重が前にかかりやすい状態にあるのですが、前重心の理由自体は、生活習慣から歪みまで多岐に渡ります。

いずれにせよ、背面部の筋肉の縮み、前のめり、頭部の前出など姿勢全般への影響があり、精神面では、ソワソワと落ち着かない、イライラ気短、恐怖心が強くなるなどの影響があります。

長年、踵が付かない歩きで形作られた身体は、骨格より筋肉主導であるため、筋肉が硬く緩みにくく、冒頭に述べた腰椎から背骨全般の問題となっていくことが考えられます。

→「脊柱側弯症、姿勢の悪さが異常」に関する事例はこちら

歪んでいることで、踵が付けない状態になっているお子さんの場合、骨格細分化調整が有効です。

安定した姿勢

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