滑舌、舌の動き　発音と頭の歪み

「側音化構音」５歳　Eくん

ご相談内容
「全体的に滑舌が悪く4歳の頃に、い、き、し、ちなどが口の横から空気がもれるような発音をしていました。一年たっても治らないので病院で検査をしたところ、「側音化構音」ということでした。
口の体操のリハビリを始めたのですが、舌で上唇を舐めることができないということが分かりました。
舌が緊張しているというか脱力ができない状態だそうです。

そういった症状も頭の歪みと関係があるのかもしれないと思いご連絡させて頂きました。もともと頭の形が悪く赤ちゃんの頃ヘルメット矯正をしました。（後頭部の片側がぺったんこだった）現在、発達の遅れなどは特にありません」

体位で変化する顔の歪み　頭の歪み

立位検査
首から下は正面なのに、顔は左斜め４５度を向いている。
正面を向くことは出来るが、左向きが自然な状態。
肩甲骨の右下がりはあるが、顔面や顎のズレは見られない。

頭の形：形状としては左後ろ圧迫型だが、全体によく膨らんでいるので、見た目ではほとんどわからない。
正面から見た時、額横の張り出しが強く、顔面部が小さすぎるように見えることと、口元が縮こまったように小さい。

仰向け検査
立位では見られなかった顔面のズレが現れる。
右半顔下がりで、全体的に左半分が後方回転し、右半分が前方回転している状態。
また、口元の緊張が緩むのか、唇もふっくらとする様子がみられた。

立位から仰向けになると、変化する様子から、身体を起こしている状態の時、何かしらの緊張が口周辺にあることがうかがえます。

「外見の形ではわからないマス目の歪み」

体の歪みや頭の形、顔の歪みなどについて、
見た目の形や左右差がみられなくなると、「歪みが治った」「歪みがなくなった」と思うのが普通です。

しかし、マス目の歪みというものは、外見上の形を変えても、マス目の歪みはそのままで、体の中に内包されています。

・歯列矯正
・強烈な補正下着
・側弯症で使用されるコルセットが身体に合っていない場合
・不自然な姿勢で身体を締め続ける合わない運動の継続
など、外部からの継続的な圧力に体が対応しきれないことで、体の奥に解除出来ない緊張を生み、体調不良が起きることがあります。

歯並びや、骨格の歪みなどの外見上の歪みは、不具合のない場合において、見方によっては、「ハンドルの遊びのようなもの」です。
身体の場合、筋肉を適度に緩く保つことでマス目の歪みの締め付けを回避する作用があります。緊張や締め付けは、歪み、捻れを追い込むような状態になり、結果として歪みを増やしてしまうことがあります。

頭部の歪みが体の歪みへ分散されていくことについて、もっと知りたい↓
「側湾症、異常なコリ緊張、反り背、反り腰、反張膝、姿勢が異常に悪い、顎のズレ、噛み合わせ」

頭の歪み　バランスのとり方

多くの場合、頭部にあるマス目の歪みは首から下に分散され、骨格的には、身体の捻れ、左右差、前後左右の飛び出しなどとして現れます。歪みが頭にあると大変不快なので、首から下へ分散させて、全身的に大きくバランスを取り合うことで、日常の活動を妨げないレベルの心身を保つ目的と、歩行の獲得により、重力の影響から下方向に移動することが考えられます。

しかし、相談にこられる方に、歪みが首から下へ分散されずに、頭部、顔面、下顎あたりに存在したままのことがあります。何かの事情で、頭部顔面だけでバランスを取り合う状態が起きています。

大人では歯列矯正で解除出来ない緊張が生じ、長年の不定愁訴に苦しんでる方に多くみられます。

Eくんの場合、立位検査では歪みが表面的に現れず、立位が解除された状態では歪みが現れることから、頭部にあるマス目の歪みの影響で、舌の筋肉の緊張や、不自然な口腔状態となっていることが推測されます。