前重心と内股X脚、外反扁平足

足のトラブルと前重心

Hくん10歳、相談内容の一つに「外反扁平足」と「足指の捻れ」があります。
→走り方がおかしい 内股 外反扁平足

立っている子供を後ろから見た時、正常な足部の場合、アキレス腱は垂直ですが、外反扁平足の場合、アキレス腱がハの字状に曲がっています。外反扁平足は見た目だけの問題でなく、関節への偏った負担が続くため、疲れやすさや、運動機能、全身への影響の大きいものです。しかし、実際のところ、外反扁平足の明確な原因はわかっていません。

中心軸整体では、足のトラブルの根本原因は、以下の二点と考えています。
1、踵に適切な重さが乗らない骨格状態

2、踵に垂直に力が乗らない脚の捻じれ(脚の捻れが起きる全身状態にある)
これらが、踵骨のズレと、足部アーチの崩れを引き起こす根底にあります。

子供に限らず、外反母趾や巻爪など、様々な足のトラブルの根本原因には、前重心の問題があります。
しかし、自分はかかと重心(後ろ重心)と誤認識している方も多く、重心についての理解が乏しいまま、患部だけに囚われた対処法となることがほとんどです。足部の変形、進行を防いだり、機能性を高めるための患部のケア、補助用品は必要ですが、根本原因である「足部に対する体重のかかり方」についての情報が整理されていないのが現状です。

*かかと重心の誤解についてはこちらをご参照下さい。
「カカト重心」「後ろ重心」の定義

重心変化の観察

では、Hくんの施術経過による立位変化を見てみます。

重心線の変化 横から

右端:初回施術前
上半身が赤い縦線より前にあります。耳も赤線より前です。中央、左、と施術回数を重ねていくと、上半身、耳ともにほぼ、赤線上になっています。

根本原因1、の「踵に適切な重さが乗らない骨格状態」から、踵に重さがのる状態へ変化していることがわかります。

前重心、内股X脚、外反扁平足の骨格状態

次に、右端:初回施術前の骨格状態イメージ図を見てみます。

内股X脚、膝過伸展、反り腰のイラスト

左:前重心のため、前のめりになる体を上半身の反り返りで立たせている
右:正面から、脚の骨を確認するとこのような状態(内股X脚)

根本原因2、の「踵に垂直に力が乗らない脚の捻じれ」にあることがわかります。また、このような方向から負荷がかかる脚の状態にあるため、外反扁平足が生じています。

脚の捻れ 原因は頭部の歪み!?

問題は、なぜこのような脚の捻れが起きるのかということです。

歩き始めの赤ちゃんのほとんどが、生理的O脚です。それが1歳半〜2歳頃から徐々に変化し、3、4歳では逆に生理的X脚になります。かなりの個人差があるそうですが、これらを通過しながら、6、7歳で通常の脚の状態に落ち着くそうです。

10歳のHくんが、まだX脚の状態にあることついて、マス目の歪みの影響が大きいと考えています。

頭部にあるマス目の歪みにより、このような脚の捻れとなる全身状態が生じます。詳しくは→赤ちゃんのO脚 頭の歪みとの関係をご参照下さい。


写真、赤い縦線について
赤い縦線は外踝(そとくるぶし)から垂直にひいてあります。

踵に重さがかかる

踵の骨は足根骨のなかで、一番大きくしっかりしており、重さの7割を担う骨です。本来ならば、自然と踵に重さが乗るようになっています。

正確には「理想的重心落下点」という骨格構造的に重さがかかるのに理想的な位置がありますが、ここでは内容が難しくなりすぎるので、説明を省きます。

おおよそ外踝がその辺りになります。本来、重さがかかるのに理想的な箇所を起点として垂直線をひくと、全身変化の比較が出来ます。


Hくん、外反扁平足自体は、少しずつ角度が浅くなる変化ですが、根本原因である「足部に対する体重のかかり方」、姿勢と動きが変化しているので、この状態でインソールなどの補助用品を使うと更に効果が見込めます。

昨今のコロナ感染症の影響もあり、残念ながら、現在は、お越し頂いておりませんが、動きや姿勢に関する当初の問題が解消されたことで、その後の脚の成長にプラスになっていることと思います。

骨格の歪み、姿勢について→「構造的に正しい姿勢|中心軸整体」
側弯症事例について→「脊椎側湾症・脊柱側弯症|中心軸整体」

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