「子供の姿勢が悪い」原因は?その2
「猫背ではなく、猫腰が原因で姿勢が悪くなる」その原因は?
前回、「猫背ではなく、猫腰が原因で姿勢が悪くなる」ことを書きました。
では、猫腰になる原因は何でしょうか?
左は腰のカーブのない座り、右は腰のカーブのある座りです。
右の絵、頭から坐骨までを通る垂直線は、腰椎を貫いています。
骨格本来の正しい座りが出来ている状態は、腰椎前湾、生理的湾曲があり、頭の重さが坐骨に乗っている状態です。
上の絵から「猫腰」の原因は、
1、構造的に正しい座り方を知らないこと(正しい座り方については別途記しますが、お急ぎの方は書籍をご参照下さい)
2、腰を支える「おなか」の状態が弱い、悪いこと
3、呼吸が浅い、弱いこと
が、挙げられます。
腰の支えは、元気な「おなか」から
左の座れていない絵の「腹抜け」ですが、これは「おなか」の状態が悪いこと、弱いことが影響します。
原因としては、食べ過ぎ、冷い物の飲食、遅い時間の飲食による内臓疲労、腸内環境の悪化など、心当たりのある方が多いと思います。
「元気なおなか」は腹筋を鍛えることではありません。
「姿勢が悪い」と言うと、背骨、骨格ばかりに目がいきますが、骨格を支えてくれている胸とお腹の状態も見ていく必要があります。
お腹は骨のように硬い存在ではありませんが、骨格を支える土台として非常に重要です。お腹の膨らみや、張り弾力があることで、腰が丸くなるのを防いでくれます。
つぶれたお腹や、小さいお腹、凹んだお腹は、腰が丸まるのを誘導するようなものなのですが、残念ながら、お腹を凹ませることを推奨する情報ばかりが多くみられます。
よく腹筋を強くすることが推奨されますが、腹筋を鍛えると縮んだ、小さいお腹になります。また筋肉は硬いほど、強いと誤解されている方が多いのですが、縮んで固まったお腹から腰痛を起こしている方もいます。
必要なのは「張りと弾力」
必要なのは、呼吸運動の妨げにならない張りと弾力、面積、存在感です。
呼吸による横隔膜の上下運動は、胃腸の消化活動、蠕動運動をスムーズにしてくれます。
通常、小さいお子さんほど、いいお腹、いい呼吸をしていますが、頭部の歪みの影響で、赤ちゃんのうちから、こうした部分が弱い子が多く見られます。
呼吸の弱さと姿勢
そして「胸腹圧迫」。これは、胸部の弱さにより、さらにお腹が押しつぶされる状態です。
運動不足、肺活量の低下が主な原因になります。
3の「呼吸が浅い、弱い」が、続くことで、横隔膜の上下運動が弱まり、胴体そのものの長さ(胸・腹の長さ)を保てなくなります。
「胸とお腹=呼吸と胃腸」です。
施術で、骨格の歪みを整えていくことは出来ますが、呼吸と胃腸は、クライアント自身が取り組んで頂く部分になります。
施術を受けることで、呼吸や胃腸機能が向上する部分もありますが、食生活、生活習慣の見直しなどの根本が変わらないと、姿勢の改善、維持は難しくなります。
頭部の歪みの影響で骨格構造的に、異常な肩凝りが起きている場合以外に、こうした生活習慣が、悪影響を助長していたり、歪みが減少しても生活習慣の影響が強すぎて改善を阻害しているケースもあります。
実際のところ、解消されない悩みや、行き場のない怒りなど、精神的ストレスが長期間続くことも、胸やお腹を小さく弱くする要因に挙げられます。本来、心と身体は切り離して考えられるものではありませんが、わかりにくくなってしまうので、ここでは現実的な物質面からのみお伝えしました。
中心軸整体では、歪みの調整と共に、座り方の指導、食生活のアドバイス、適した運動の推奨を行う場合もあります。
適した運動、正しい姿勢について、しっかりと理解したい方は、以下の書籍をご参照下さい。
構造的に正しい姿勢 構造的に正しい身体の使い方 理論編
構造的に正しい姿勢 構造的に正しい身体の使い方 実践編
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