停留精巣 2歳以降〜その2

停留精巣 2歳 当時の身体の特徴

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2歳ころのEくん、頭部はよく膨らんでいるお子さんでしたが、全身的には頭が大きすぎて頭がグラグラと不安定な状態でした。

頭の大きさに対して、骨盤が縮こまったように小さく、お腹が小さい感じの身体だったことを、よく憶えています。

お尻周りの筋緊張が異様に高かったのですが、施術のあとは毎回ふっくらと柔らかになっていました。股関節周辺が緩むことで、施術後は積極的に走り回ったり、いつもより早く走れることを喜んでいました。

こうした「からだつき」の影響なのか、呼吸の際、臍下が膨らまないため、へそ上部と肋骨下部が広がってしまい、必然的に浅い呼吸になってしまう状態でした。そのせいか、いつもお腹が冷たくて、お母さんが擦ったり、手のひらで温めたりしながら施術を進めていました。

浅い呼吸
Eくんの呼吸状態
横隔膜呼吸
本来の呼吸状態

施術箇所も、腰椎、骨盤部の歪みが多く、立位の骨格状態も胴体部の捻れでおへその向きが定まらず、お腹の張りやすいことも気になっていました。

幼児はお腹を突き出した立ち方をしていることが多いのですが、よく見ると、
おへそを中心に臍下が張り出た子と、
へそ上と肋骨下部が張り出た子がいます。
後者の場合、成長とともに姿勢の問題が目につくようになっていきます。

発達の遅れで立位まで進んでいないお子さんの場合、
頭の膨らみが小さく、明らかな変形があることがほとんどです。
「頭の形が歪んでいる」に関する事例

しかし、一人歩き以降にご相談に来られるお子さんの場合、Eくんのような頭部大きめ、お腹とお尻小さめのお子さんの割合が多くみられます。

頭を支えにくい身体 脳疲労と情緒

このタイプのお子さんの場合、ご相談内容が、転びやすさや、グニャグニャした様子などの運動面とともに、グズり、癇癪、多動、感情の起伏の激しさ、情緒不安定といった、精神面の内容も同時に多くあります。

それ以外ではどもり、チックのお子さんにも同様の骨格バランスのことが多く、いずれも皆さん、いわゆる発達障害の可能性、ボーダーを心配されて来られることがほとんどです。
→「言葉の遅れ、発達障害、姿勢がおかしい」に関する事例
→「チック、トゥレット症候群、どもり」に関する事例

ただ普通に立てない状態というのは、不安定さを補うために、普通以上にバランスを取ることにエネルギーが使われ、脳疲労しやすくなります。

成長するにつれて、筋肉が発達し、良くも悪くも身体がしっかりしてくると、全身の色々なところを固めることで、立つためにバランスをとる脳疲労は減少します。その変わり、筋肉拘束による不快状態(動きにくさ、身体の重苦しさ、肩こりなど)となっていきます。

骨で立てない 全身拘束
筋肉拘束により固めて立つ身体

歪みが少ないほど、身体をあちこち固めることをしないでも立っていられます。快適な肉体は機嫌の良し悪しに表れます。

点で立つ 赤ちゃんゆらぎ
小さい頃はゆらいで立っている

歪みにより立ちにくさが生じているお子さんの場合、まだ適当に身体を固めるということも出来ないため、頭部緊張の度合いが高くなります。これが、興奮しやすしやすさになっていることがあります。

身体の柔らかい幼児のうちは、頭のぐらつきと、不安定な下半身の影響を受けてか、情緒不安定になりやすく、一番上のイラストにあるように、深くゆったりとした呼吸がしにくい身体の状態にあることが、精神面に影響していることが考えられます。

原因は?骨格の歪みとお腹の健康

骨格の歪みの影響で、こうしたアンバランスな状況になっているお子さんの場合は、施術による変化が期待出来ます。

しかし、お腹の小ささや、情緒不安定は、食習慣の影響が大きいことも多々あります。大人でも、精神的に不安定になりやすい方や、そうしたご相談で来られる方の場合、へそ下が異様に小さく、張り弾力のないズブズブ、ふにゃふにゃな下腹がよく見受けられます。
「子供の姿勢が悪い」原因は?その1
「子供の姿勢が悪い」原因は?その2

姿勢が悪い 原因
左:腹つぶれ 右:腹の支え

また、アトピー、アレルギーなど、消化機能の低さ、問題のあるお子さんも多いのですが、これは、身体の捻れ、締め付けで胃腸の働きも影響を受けている可能性を含んでいるものと思われます。

歪みの原因

左:タオルを絞ると捻れながら圧縮します
中央:頭部にあった歪みは捻れながら下方向に移動します
右:年々圧縮が進みながら、捻れの内包が強くなっていきます

・胃腸の捻れが先なのか、
・身体の捻れで胃腸の働きが低下するのか、
・同時に起きているのかは、

各自それぞれとは思いますが、大人でも歪みで筋肉の偏り(緊張と弛緩)が強くなると、胃腸状態が悪くなることがありますので、消化器官の未完成な子供の場合、より食べ物の影響を強く受けています。冷たい飲食は特に気をつけたいところです。
フニャフニャした子供が多いことと食生活環境の変化
→腸内環境を改善する簡単な方法と基礎知識

こうした影響を含めて全体像を把握していく必要があるため、状況に応じて生活内容の詳細をお聞きしています。

Eくん、当時は大泣き、汗ビショ、じっとしていられず毎回大騒ぎでした。
今回は姿勢のご相談でしたが、泣かずにベッドから降りることもなく施術を受けていられるようになっていたことに、つくづく成長を感じました。

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